グランドワークについて
非対称について
摺り込みについて
乗馬クラブってこんなとこ
ナチュラルホースマンシップの基礎 司馬羊羹
ドクター・ミラー
津別ホーストレッキング研究会


グランドワークとは騎乗することなく行う調教・訓練のことですが、Aのようなことができる、させること自体が目的ではなく、 人を信頼し、怯えることがなくなった結果です。グランドワーク自体は過去から何らかの方法で行われてきたはずとは思いますが、 その内容、効果のほど、重要性の認識については、個人、地域(国柄)、時代(背景)によって様々ではないでしょうか。 近年、ナチュラルホースマンシップという概念 およびその方法が紹介され、その中に基礎たる要素としてグランドワークというものが含まれている、と考えていいようです。

『人を信頼し安心して指示に従う馬にすることが目的です』と言いましたが、馬に何かを求めるその前に、人は馬がどのような生き物か、個体として集団として、どのように考え行動するか、持って生まれた性質というものを理解し体得せねばなりません。これらのことをふまえた上で、馬が人を理解し信頼・安心して、その指示に従うように導いていかねばなりません。人が馬の動作を見ていると同様に、馬も常に人の動作を見ています。人も馬も同じ生き物として共通の感情表現があるでしょう。人は馬を怯えさせてはいけませんし、反対に人を見下すようなことを許してもいけません。人は知らず知らずにでも、このようなことがないように気をつけねばなりません。人との共存に慣れ、(その)人を信頼するようになったとは言え、馬は元来臆病な生き物ですから、信頼を裏切らないように、怯えさせないように、常に感情を平静に保ち、挙動にも気を配らねばなりません。上手に乗れるようになるのも、ホースマン・ホースウーマンになるのも、なかなか大変です。

Mr.Klaus Ferdinad Hempfling Dancing With Horses、What Horses Revealの2冊の著書があります。Dancing With Horsesは日本競走馬協会が『馬と踊る』と題して翻訳出版したそうですが入手困難のようです。彼もグランドワークを重要視していますが、著書の中で、摺り込みとホースウィスパーリング(ナチュラルホースマンシップ)は、いかに馬を用いるか(the basic system of use)という観点からは有効・有用であるが、その反面、馬の個性を犠牲にしているとコメントしていますが、そのことに関して多くを語っていません。また、ナチュラルホースマン(ホースウィスパラー)がよく言う、プレッシャー(を与える。そして馬が、人の求める行動をした瞬間にプレッシャーから開放する=Pressure&Release)については、自分のやり方とは一線を隔すとのコメントもあります。彼は馬にリードロープを付けた場合、ロープをピンと張ることも引くこともしません。 その違いを簡潔にまとめるのは、なかなか難しいので差し控えます。著書に書かれていることやビデオで見られる動作の中には、これはナチュラルホースマンの言うプレッシャー(&リリース)と同じではないかな、と思える部分もあるのですが。 個々のホースマンによって、やり方には少し違いがあるようです。ともあれ、Mr.Klausの著書もすばらしいものだと思います。

Mr.Buck Brannaman...ホースウィスパラーってなに?
彼は映画「ホースウィスパラー」のアドバイザー。著書の中で「ウィスパーリング」と題して下記のように書いています。
映画を見たという人から「ホースウィスパラーってなに?」と聞かれます。わたしが定義するなら、一般の人々が理解していないやり方で馬とコミニュケーションができる能力(知識・技術)を持っているホースマン・ホースウーマンのことです。かれら、ホースマン・ホースウーマンは、自らの経験(探求)を通して、馬がどれほど繊細な生き物であるか、人は馬との係りにおいていかに繊細であるべきか、ということを学んでいきます。 最終的に、かれら、ホースマン・ホースウーマンは、あれやこれや(不要な)努力をする必要はないのだ、といういことを学んでいきます。馬がどのように考え行動するかということを全くわかっていない人にとっては、その方法(ナチュラルホースマンシップ・グランドワーク)は、わけのわからないこと、なにか神秘的なことであるかのように考えてしまうこともあります。

映画「The Horse Whisperer」がもたらした良い側面を言えば、映画を見た人が、馬について従来とは違う考え方(関り方)があるということを理解する一助になったということです。映画というメディアを使うことは、1つの(良い)やり方でしょう。人々が映画の中のできごと(ナチュラルホースマンシップ)を、なにか神秘的なものと思いたいなら、それはそれでよしとしましょう。ニコラス・エヴァンスとロバート・レッドフォードによる「この仕事」(映画化)は、多くの馬と人にとって結果的に良かった思いたいですし、2人が、また私と一緒に馬に乗りたいと言えば、いつでも喜んでご一緒させていただきたいと思います。
※司馬は、1998年10月、北海道旭川市で見てきました。

IOA(International Outdoor Adventure)TOURS代表の青木賢至さんがMIXIのブログ(2007年7月14日の日記)にバック・ブラナマンの講習会のことを書いています。MIXIに登録している方はご覧になってみてはいかがでしょうか? MIXIは登録している人しか見ることができません。登録には既に登録している人からの「招待」が必要です。 MIXI・TOP  新規登録

(2007/7/14 司馬記)