非対称について
摺り込みについて
グランドワークについて
乗馬クラブってこんなとこ
筋力・骨盤・腰痛・非対称 司馬羊羹
ドクター・ミラー
津別ホーストレッキング研究会

乗馬を始めようと思い立った時に『さて自分の身体は歪んでないか?歪んでいたらまず直そう。』 などと考える人はまずいないでしょうね。それでも遅かれ早かれ歪みに気づかされる時がくるでしょう。 そこいらあたりについてはアレクサンダー・テクニークをご覧ください。

写真(左)は数年前の私の姿(はて今は?)。馬術書によく出てくる『くの字』に曲がった姿勢ですね。(-.-) 右左どちらかの手前が苦手というのがあります。馬の骨格・筋力の歪みもあるでしょうが、 たいていの場合、馬がどーのと言う前に、写真のように身体(骨格)が曲がっている場合が多いのではないでしょうか? 骨や関節そのものに問題がなくても左右の筋力差のため、つながり方の角度が左右で違っている、ということがあると思います。

乗馬は力(づく)で乗る(御す)のではないと言われています。力づくで乗るのではないと思いますし、 力ではとうてい馬に勝てません。ここで言う力づくとは、手綱で引っ張ったり、足で叩いたり、押したり、 ということでしょうね。しかし自分の姿勢・態勢を維持するには、それ相当の力(筋力)が必要ですね。 特にまっすぐな姿勢を維持するには骨盤回りのしっかりした筋力が必要のようです。そして筋力の左右差が無いこと。

しばしばリラックス(しなさい)と言われますが、そー言われても、という気がします。リラックスしてと言われたとき、 かなりの初心者で馬に乗ること自体に緊張している段階は別として、たいてい力が入っているのはベルトより上の部分。 胸、肩、首、腕(全部、拳も)でしょう。膝から下(一般的に脚)、くるぶし、くるぶしから下もコチコチかも。 これは、けっきょくは骨盤回りが安定していないからですね。

骨盤回りが安定していないということは、骨盤回りの筋肉が弛緩して鞍にチョコンと乗っかっているだけなのでしょう。 骨盤回りが安定していれば、意識的にせよ無意識的にせよ、不安定さ・ぐらつき・心もとなさ、を何とかしようとして 身体の他の部分(手・足など)を使おうとしてしまうことはありません。単にリラックスしなさいとか、肩の力を抜いてとか言うのは、 あんまり意味ないですね。

2009年8月 追記
骨盤回りが安定していない・骨盤回りの筋肉が弛緩して、と書きましたが、 骨盤まわりをしっかりさせようとして、往々にして骨盤まわりが固まってしまいます。 ここいらあたりのことについて、Mr.I に教えていただき、さっそく、高野英夫著の[究極の身体]と [だれでも達人になれる!ゆる体操の極意] を購入しました。あなたもいかがですか?


非対称&骨盤と乗馬の話ですが、腰痛の話を少々。
昨年、腰痛でまいりました。(-.-) 今もパーフェクトではありませんが。病院で(骨盤でなく脊椎の) レントゲンを撮ると椎間板は飛び出してはいないようだ。ともあれ筋肉をほぐす飲み薬と貼り薬を処方される。 何日かすると筋肉の腫れは薄らぎ痛みも弱くなるが、けっきょくは治らず。

一度気功師の治療を受ける。車に乗せてもらい治療所へ。 やっと車を降り、なんとか診察台に横になるのではなく、80度ほど傾斜のある診察台に身体を前にして寄りかかる。 まさにテレビで見るのと同じ。気功師が手をかざして1分もたたないうちに、はい、歩いてみて。 なんと痛みはなくなり歩けるようになった。 しかし数日するとまた痛くなる。気功師は『この痛みは歯から来てる』と言う。 たしかに何年もグラグラの奥歯があったので抜いてっしまったが関係なかったようだ。 だが、ある人から『歯はかなり関係あると聞きます』とも言われた。 一度ではムリなのだろう。何度か通えば治ったかも?

馬友のダニエラに腰痛の話をすると十字式健康法がお薦めとのこと。 十字式健康法は費用も安く、これまた奇跡的な効き目。この治療はキリスト教の言う『癒し』がベースになっているようだが、 治療に関して宗教色はまったくない。会場が少ないのが難点である。 ともかく、痛くてしょーがない人は、最寄の会場へ行ってみることをお薦めします。 ダニエラのブログ内に司馬羊羹の十字式体験談がありますので参考にしてください。

十字式で『仙骨部分の関節がずれている』と言われました。そんなとき『男も知っておきたい骨盤の話』(幻冬舎新書) 寺門 琢己(著)を発見。 本のことを娘に話したところ『寺門琢己って、カリスマ整体師で有名よ!』女性には大人気らしいです。 骨盤は身体の中心。男女を問わず重要です。いろいろな体操が紹介されていますが、その中の2つ。両方やってもせいぜい3−4分。 関節が固まっているので最初はかなりキツイと感じますが、3−4日、一週間とやっていると、痛みがなくなってきました。(^_^)v 気功も十字式健康法も痛みは瞬間的になくなり、すばらしい治療です。痛みがひどい時期は、 これら治療でずれた部分を強制的に動かして元に戻し痛みを和らげることが必要ですね。 しかし、けっきょくは自分の身体ですから、ひどい痛みがなくなった後は、 自分で動かせる部分は自分で動かし骨と骨のよい位置関係を筋力で維持できるように筋力を鍛えるのがよろしいようです。





写真上:体幹の筋肉(腸腰筋)

写真右:太腿の筋肉(内転筋)

一番上の写真のように馬に跨った状態で左右に偏って(傾いて)いるのは論外ですが、 馬が、発進(加速)・停止(減速)したり、右(左)に曲がったり、右(左)に重心を移したりしたとき、 そのプラス(マイナス)の加速度に負けず、まっすぐな姿勢でいられるだけの筋力が必要ということになります。 どのような加速度が加わっても骨盤回りは安定していなければならないということですね。 騎手は鞍にしっかりと座れていなければならないというわけですね。 前後左右について言及しましたが、上下について言及していません。 むろん(馬の)上下方向の変化(加速度)にも振り回されてはいけないわけですね。 ここいらあたりも骨盤回りの筋肉(腸腰筋、大腿筋、殿筋)の使い方というとになりますが・・・。

元々骨格が歪んでいる場合もあるわけです。そして筋力不足、その弱い筋力に左右差もあるわけです。 馬が動いているときは、加速度が前後・左右・上下に変化するわけですから、仮に、身体は真っ直ぐで、 筋力も左右同じだとしても、筋力がその加速度に耐えられなければ、その(真っ直ぐな)姿勢は保てません。 骨格の歪みと筋力の歪みがあると、さらに加速度に対応できなくなり、騎手は馬の動きに振り回されることになります。 つまり、加速度が小さいとき(常歩の時はそーですね)はなんとか対応できても、加速度が大きくなると、さらに、その変化が大きくなると、とたんに座れなくなってしまう、 ということになります。

上記のアレクサンダー・テクニーク では体幹の筋肉(腸腰筋)に言及していますが太腿の筋肉(内転筋)に言及していません。 体幹の筋肉は前後の加速度の変化に遅れないために重要ですが、内転筋は左右の加速度への対応、それ以前に、 左右にずれず鞍の真中に座っていられるためにも重要です。筋力の左右差は自分では気がつかないのでやっかいです。 左右差があるまま、その状態が自分にとっては自然な姿なのですから。ほんとに真っ直ぐになったら、 むしろ逆に曲がってしまったと感じるでしょう。 自分が感じるまっすぐと実際のまっすぐをビデオなどで確かめるといいですね。

骨格の歪みが先か、筋力の歪みが先か、筋力の歪みが先だと思うのです。左右(前後)の筋力が同じなら、 ある関節部分でつながる左右(前後)の骨は真っ直ぐ(正常な角度、位置)に繋がり、骨格に歪みは生じません。 がしかし、今、骨と骨のつながり方がずれている、歪んでいる、そーゆー場合、その歪みを(ムリせず)矯正しつつ、 その矯正された(関節の)状態を維持すべく、左右の筋力が同じになるように(特に弱い方の)筋肉を鍛えることが肝心です。

中心の仙骨と左右の腸骨を一まとめにして骨盤と言っています。太腿骨が骨盤につながる股関節も大事な一部です。 乗馬に限らず一番大事なところ(丹田)は骨盤の中です。仙骨と左右の腸骨との接合部分を腸仙関節といいます。 この腸仙関節はけっこう歪みがあるようで腰痛の原因にもなります。 『男も知っておきたい骨盤の話』で紹介している骨盤体操は骨盤を開いたり閉じたりという動作をしますが、 その際、股関節も柔軟になります。これは乗馬にとってかなり重要ですね。

上記のことに関して、ある馬友から、こんなことを聞かれました。
乗馬と腰痛の関係とはいかに?乗馬をして姿勢をよくすれば腰痛が治ると云う人もいるし、 障害などでよけいに腰を悪くするとも云われるようですがいかがでしょうか? 『正しい乗り方』をすればよくなるのか、正しく乗るから悪くするのか?

で、このように答えました。
どんな習い事でも同じでしょうが、なんとか上手になりたいな〜というわけで、読んだり、聞いたり、見たりして、 実践し、またフィードバックして、ということの繰り返しですね。そんなこんなでかなりの時間が経ってしまいました。(^^; 間違ったやり方を長く続けて痛めることは当然でしょうが、正しいやり方でもやり過ぎれば痛めますよね。 やり過ぎとは反対に普段運動不足なのに急に張り切り過ぎれば、短時間に痛めてしまうこともありますね。 数年前の登山のように。(-.-) 筋肉の疲労や損傷、筋肉以外の部分(骨や軟骨や椎間板)の摩滅や損傷や 変形が神経に影響(圧迫など)を与えるたり、神経そのものが損傷したりということですね。そこいらあたりのこと、 以下、私なりの考えです。

> 正しい乗り方をすればよくなるのか?
正しく乗ってもやり過ぎれば腰に限らず身体によろしくないですよね。 正しく且つ適度に乗れば腰に限らず身体全体によろしいですよね。適度にやれば、筋肉が必要且つ十分に発達し 運動能力・労働能力を向上させてくれます。その筋肉が骨格を構成している関節各部をしっかり支えてくれますね。

> 正しく乗るから悪くするのか?
これがYESだとすると乗馬に伴う身体(筋肉)の使い方は人の自然な動作に反することがあるということになりますね。 バレー、ダンス、武術、サッカーなどなど、色々な身体の使い方がありますが、人のやることのどこまでが自然なことであり、 どこからが不自然なことなのか、これはわかりませんね。(^^; でも、たいていのことは、初めのうちは不自然でも、 だんだんと不自然さがとれて、最後は当たり前になりますよね。たぶん乗馬についても、乗馬用の正しい身体(筋肉) の使い方そのものが身体に悪いということはないと思うのですが。ただ、筋力が伴わないのに無理に 「その正しい身体(筋肉)の使い方」を一所懸命しようとすると、筋力が鍛えられる前に故障を起してしまうのでしょうね。 むりせずあせらず、お互いに気をつけましょう。

> 乗馬をして姿勢をよくすれば腰痛が治る?
まず何事も程度とタイミングということが言えますね。日常的に姿勢が悪く、そのせいで腰痛が起こることもあり、 筋力がなさ過ぎるので骨と骨のつながり方が悪くて(姿勢が悪くなり)腰痛が起こる、鶏が先か卵が先かみたいですね。(^^; 乗馬をして姿勢をよくすれば・・・という言い方をするなら、乗馬に限らず何でもいいですよね。 私は、むしろ乗馬より他のスポーツの方がやり易い、分かり易いと思います。 乗馬をすると姿勢がよくなる・乗馬をしてよくする・腰痛が治る、というより、 正しい姿勢がどーゆーものかわかった上で、その正しい姿勢で、それを維持できるだけの筋力をつけつつなら、 乗馬を続けても腰痛にならないですむと思うのですが。(^^; しかし、正しい(腰痛にならない)姿勢はどーゆー姿勢か、 どーして正しい姿勢にならないのか、どーしたら正しい姿勢になるのか、それをどーして維持するか、 そこいらあたりがわかりにくいんですよね。

> 乗馬と腰痛の関係とはいかに?
腰痛と言っても種類がいくつかあるみたいです。私が気がついているのはヘルニア(脊柱関連)と坐骨神経痛(骨盤回り)です。 私のはどーも坐骨神経痛のようです。乗馬をやってて腰痛になるのは、たぶんヘルニアじゃないかと思うのですが。 重いものを持ち上げた時に腰を痛めることがありますが、乗馬で腰を痛めるのも、 脊柱をムリな角度に曲げることによって起きていると思います。乗馬の場合も、重いものを持ち上げる仕事の場合も、 あの動作を繰り返し繰り返しやってますから根は同じだと思います。腰を張る、腰を入れる、腰を使う、とか言いますよね。 その動作が正しい動作でなく、例えば、腹を前に突き出し、ベルトの後側が凹んでいるあの姿勢です。 これはMary Wanlessも言ってます。 ずっとこの姿勢のままというのもありますし、馬が伸び上がる前は腹が真っ直ぐな状態で、 馬が伸び上がった時に腹を突き出しベルトの後ろは凹む、というのを繰り返す場合もありますね。 なんとか座ろうとして、この悪い姿勢で長い期間やってると腰を痛めるのだと思います。 しかし、どーしたら座れるか、なかなかわからないんですね。 教えてくれる人はなかなかいませんよね。それで上記の姿勢になる場合が多いんですね。 特に馬場馬術をやろうとする人は。

> 障害などでよけいに腰を悪くする?
障害を多くやってる人は上記のようなことは少ないと思うのですが。 着地の衝撃は大きいでしょうから、その時に脊柱にダメージを受けるのかもしれませんね。 障害で腰を悪くするということが多いと言われているなら、そーゆーことかも?わかりませんけど。 (2007年7月 司馬記)