第2回 エンデュランス JAPAN カップ゜ IN 八ヶ岳競技大会   
2003/11/8〜9 山梨県小淵沢馬術競技場周辺 (報告: Sanae)

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5月の大会に続き、 小淵沢で行われたエンデュランス大会2回目です。 今回は「JAPAN カップ」という、競馬なみのすごい名前で開催されました。 参加頭数は5月より多く、また、トレーニングライドの参加者も多く 本州でも北海道に負けずと、エンデュランスへの参加者が増えています。

津別から、10月の終わりに、初、ナオミ、ラディッシュ、オレガノの4頭が ネイティブに到着しました。 大会の前週に、今回の大会に参加する人馬全頭で、ネイティブのホームグランドである 富士山のコースに練習に行きました。 ナオミはこちらには初めて来ましたが、何も変わりなく、 まるでずっと前からいるかのように落ち着き払っています。

ナオミとむなさん
ネイティブの馬場のバックには雄大な天子山系の毛無山(1964m)

葦毛の似た者同士
左:ラディッシュ 中:海 右:勝太郎

ネイティブ練習コースで、バックにわずかに富士山が!

高台で集合写真

さていよいよ大会です。 今回はルールが他の大会とちょっと違い、 トレーニングライド以外、最終獣医検査もインタイムで行われました。 北海道の大会のように、ゴール後30分で獣医検査ではなく、獣医検査ゲートを通った時点で走行時間 が終了します。 ですので、例え1位で到着しても、クールダウンに時間がかかれば、2位に抜かれる可能性があるのです。

コース上でのクールダウンと、ゴール後のクールダウンがどのように行われるかも 勝負の分かれ道になるので、とても面白かったです。 現に後着した馬に先着した馬がクールダウンの遅れをとり、抜かれている例も多く見られました。 基準心拍はチームエンデュランスは52。 80kmは56となっており、今までの大会よりも厳しくなっていて、皆、慎重になっていました。

大会第1日目は、20キロトレーニングライドに、ポテト&あっこさん、 初&おーちゃん(小学校6年女子)が参加です。 ポテトはネイティブの外乗で先導を勤める優秀ポニー。 道も覚えていて、どこでも落ち着いています。 ちょっと太目が気になりましたが、あっこさんとのトレーニングでマッチョに。 淡々と仕事をこなしていました。 初は走り足りない、といわんばかりにイケイケモード。 お相手がオスのポテトだからうれしいはずなのに、滞在厩舎近くのコースを通ると ナオミ達を呼んで鳴いて厩舎に帰りたがる...。なぜ...ポテトじゃだめ?(笑) 無事にもちろん完走です!

紅葉が見ごろでした

あっこさんとおーちゃん

クールダウン中の初 初とポテト

初 Vetチェック中 初の歩様検査 おーちゃんと

午後からはチームエンデュランス。ナオミ(谷、あっこ、さなえ)の登場です。 ネイティブから、もう1頭、エンデュランス初参加のサラブレッドのヤックル(住田・志村・松野)も一緒 です。 このチームエンデュランスは北海道にはないので、ぜひともやって欲しい競技です。 1頭の馬でライダーが3人。1人10キロを走り、計30キロを走ります。(10キロのコースを3周)

ナオミはかなり行く気でパキパキと準備馬場で待機していました。 多分、スタートは飛ばしていくチームがあるだろうと、谷さんは最後の方でスタートする作戦でした。 案の定、スターしてすぐの上り坂で、前の馬を追って、かかり気味の馬が落馬、放馬しました。 逆方向に走り去る馬を見送り、ナオミとヤックルはスタートをしました。

ヤックルチーム

ナオミチーム

ナオミはたてがみを編みました スタート直後

第1走者、谷さん終了。約1時間で帰りました。ナオミはかなりのイケイケモードだったそうです。 すぐにクールダウン、ナオミもヤックルも心拍が落ちたのですぐにべトチェックへ。

谷&ナオミ ゴール近くのコース

無事クリアーし、第2走者、あっこさん。マルタンをつけました。 さすがに2周目は落ち着いていたそうで約1時間20分ほどで帰り、ベトチェックもクリアーし、いよい よ私の番です。

あっこさんの出番

さすがに初めてのコースとパワーのあるナオミとのコンビには緊張。 しかも、今までは一緒に走ってくれるチームメイトがいて、色々アドバイスをしてくれましたが、 今回は初参加のヤックルと松野さん。がんばらなくちゃ、と。 私なりに今まで経験してきた注意点を頭にいれ、いざ出発です。

時折、前足注意のヤックルの歩様を振り返って見たり、足場を見て速足のペースを 早くしたり遅くしたりしながらの走行。ゆっくり歩いていた前の2頭を追い越したら、 後ろにずっと着かれてしまいましたが...途中、心拍と歩様が気になったので 下馬し、後ろの2頭に先に行ってもらおうとしたらその2頭が動かない。(笑) 結局はどうにか動き先へ行 きました。 コースはアップダウンはそれほどきつくない、森の中を走りました。

武田信玄が作ったという『信玄棒道』と呼ばれる真っ直ぐな道が続きます。 ちょうど紅葉の時期で、もみじが真赤できれいでしたが、 私が走っている時には日も暮れ始め、写真は撮れず。 もう少し遅かったらあたりは真っ暗で何も見えなかったかも。 思っていたよりもあっという間にコースを回り、約1時間10分程で帰りました。 無事にゴールです。

さなえ スタート直後 無事にゴール!
あっという間に暗くなってしまいました。

真っ直ぐな道 森の四季でコースを外乗いかが?

ナオミはすでに56の心拍でしたので、冷やさずに5分後にすぐにベトチェックへ。 全走行タイム4時間11分(各クールダウン、ベトチェックまでを含め)で4位でした。 ヤックルは4時間21分で5位でした。 無事に2頭とも完走できてホッとしました。 このチームエンデュランスは、各ライダーのその状況下での乗り方、 クールダウン的要素を含めての走行も考えての競技になるので 駆け引きがとても面白かったです。 今回は、他の競技もインタイムですから同じようなことが言えますね。

2日目の競技は40キロに谷さん&勝太郎、鎌田さん&海。 80キロにOさん&ラディッシュです。 40キロのレポートは、掲示板の谷さんより。 ごめんなさい、以下写真なしです。

コース中の防火帯 同じく (Oさん撮影 2002年)

勝太郎は時間は2位でゴールしベスコンとれるかな?と思いましたが、馬体検査はオールAなのです が、 歩様検査で左前肢の踏み込みが悪いということで減点がありました。 (馬体検査、歩用検査の減点は時間に換算して走行時間に追加しているようです) 谷さん&勝太郎は4時間1分で完走。 鎌田さん&海は惜しくも跛行失権。次回に期待!

80キロ、ラディッシュのライダーOさん、掲示板より。 今回の80キロ競技コースは10キロの周回路と、そのほぼ中間地点より伸びる5キロ の往復(10キロ)とで形成されるレイアウトです。分かりやすくするために、以下のよ うに表現します。

1.1 レグ:10キロ周回+10キロ往復=20キロ
1.2 レグ:10キロ周回+10キロ往復=20キロ
2.3 レグ:10キロ周回+10キロ往復=20キロ
2.4 レグ:10キロ周回
2.5 レグ:10キロ周回

上記のように事実上の5レグ構成となっており、各レグ毎にライドベースへ戻って来るこ とになります。ただし、クルーポイントは設定されておらず、中間40キロのVETチェ ック以外は、ベースや厩舎を横目に通り過ぎねばなりません。給水ポイントはライドベー スから10キロあたりを走行した折返し点と、ライドベース横に設けられました。この給 水ポイントでのクルーサポートは許されません。

また、国内におけるこれまでの大会とは違い、以下の点が特筆されます。
@ 心拍基準=60回/分(60キロ競技は56回/分)
A 制限タイムは最終ゴールではなく、心拍クリアのインタイム後とする。
B 負担重量を測定する。ただし今回は参考値とし、ハンディは設けない。

80キロ競技の出場馬はわずかに5頭でしたが、ラディッシュ以外の4頭はいづれも実績 のあるアラブ系ばかりです。まず優勝候補の筆頭は、本州におけるエンデュランス負けな しの『マッキーダンディー』、世界選手権出場馬の『ディーバ』、そして新たに某会社社 長が持込んだAHRの2頭です。
------------ 1.1 レグ ------------
全日本選手権と同様、まだ暗い中のスタートです。終始5頭は視界の範囲内で競い合われ ました。ラディッシュは連戦の疲れを見せる事なく、マッキーを完全にマーク。時にはト ップをリードする展開となりました。

------------ 1.2 レグ ------------
折返し地点まではこれまで同様、マッキーをマーク。ディーバはやや前方に去ったものの 、AHRの2頭を大きくリードします。しかし、ここの給水を以って事態は大きく一変し ます。ラディッシュは急にスイッチを切ったように動かなくなりました。ここでマッキー とはお別れです。しばらく格闘するも空しく、いたずらに体力と時間を消費するばかりで す。が、暫くすると30分遅れでスタートした60キロ組が上がってきました。なんとかそ れに追随するも、第二防火帯(急な方)を下りきる頃には、AHRの2頭に追い付かれま した。そこからは、何とかその後をキープし、2頭に割込んで4位で1レグを終了しまし た。

------------ 2.3 レグ ------------
AHRの2頭とほとんど差はありませんが、相当強いと前評判の2頭を凌ぐラディッシュ の回復力と、ネイティブ・クルーワークが光り、ディーバに次ぐスタートです。マッキー は1レグでハコウ失権です。ところがやはり、ラディッシュはスタートラインを超えたと ころで動きません。すぐにAHRの一頭『マキナ』がスタートを切り、なんとかその後を 追随しました。マキナも相棒がいないためペースがあがらず、たびたび動かなくなってい ました。時にはラディッシュが引張る展開です。40キロ、60キロ組みを抜きつつ、第 一防火帯(なだらかな方)を抜けて第二防火帯へ。ここの登りに取付く頃、AHRのもう 一頭である『アティナ』が追付いてきました。防火帯はセオリー通り引き馬と思いました が下馬すると動かなくなってしまいます。やむを得ず他の2頭同様並足で登り切るも、そ の後はAHRに付いて行くことはできません。少しづつ離されるも、折返し点の給水ポイ ントまでは視界の範囲内に収めました。しかし前回同様にここでまたストライキを起こさ れ、AHRの2頭ともお別れすることになりました。ここからは全く悲惨な状況です。ラ ディッシュは上がってくる40キロ、60キロ組を遥か前方に見つけては立止まり、見送 るのを確認するまでは頑として動きません。なんとかライドベースの給水ポイントに戻る も、前半に稼いだタイムを大幅に消費していました。

------------ 2.4 レグ ------------
しかし、悲劇はこれからが本番でした。残る距離は10キロの周回路×2週。これまでと はコース的に相当楽なはずです。がしかし、この給水ポイントでさらなる猛抵抗を受けま す。特に、ここで別のチームが置いていたエサやおいしそうに白く濁った水の入った桶を ラディッシュは真っ先に発見します。しかし、『それはうちのチームのです!』という見 張り番の言葉にオアズケ状態。誰よりも食いしん坊のラディッシュは、それまで順調だっ た給水も、それらのエサに気を取られて水どころではありません。。。なるほど。こうい う作戦ってあり?手を出さなければ、コース場で待ち構えてエサを置いておくっていう作 戦。グズるラディッシュをなんとか宥めつつ、辛く長い10キロ周回路のスタートです。 この道のりはご想像のつくことで、あえて書きませんが、同一カテゴリーの周回遅れだけ は避けようと必死でした。なんとかラップされることなく1週を終え、厩舎を通り過ぎる 時、ラディッシュはヒヒィーンと泣くも、いつもなら答えるハツもナオミも答えません。 前日の大会で出番を終えた2頭はすでにネイティブへ帰っています。いつもより明らかに 弱々しくカスレタ、痛々しい泣き声に心痛むも、ラディッシュにカツを入れ続けます。

------------ 2.5 レグ ------------
さて、いよいよ最後の10キロ周回路です。時間的には、もはや猶予はありません。がや はりここでストライキ。無理もないと思いつつ、ここでリタイアするわけにはいきません 。引き馬でのスタートです。2キロくらい騙し騙し引張ったところで騎乗、一歩一歩前進 します。残りあと5キロ地点までこぎ着けました。がしかし、いよいよ事態は逼迫します 。門限までの時間を確認すると非常にビミョーなところ。さらには、心拍を押さえたイン タイムがゴールであることを考えると、かなり厳しいところです。がやはりラディッシュ はダラダラと数歩蛇行しては留まり、引き馬では頑として動かず状態。このままでは駄目 だと、思い切って時計とにらめっこ。15分キッチリと草を食わせます。その後は渾身の 大格闘です。が、燃料補給が利いたのか、かなりのペースの速足!。一気に走り切ります 。唯一の信号待ちポイント。監視員の制止をブッチ切りそのままダッシュです。なんとか ライドベースに辿り着き、長い長〜いラストの10キロを終了しました。ラディッシュは 最後の10キロを十分に時間をかけたこともあり?たしか心拍は40でクリアです。『ホ ントーに80キロ走ってきたの?』と獣医の皆さんも驚きの声でした。

最終的にはこれまで同様にビリでのゴール。繰り上がりで3位ということで、決して誉め られたものではありません。もっと技量があり、アノ大きな反動に消耗されることのない 体力を持った者であれば、優勝が狙えたことでしょう。ラディッシュの実力を十分に発揮 できなかったことに申し訳なくも思います。しかしながら、人馬ともに初ソロを無事に終 了できたことは落第点ではないとも思っています。

怒涛の一年でした。昨年の同大会、TR20キロのデビュー以来、アッという間に国内 大会のみで通算480キロを完走させていただきました。様々な人と出会い、いっぱい助 けられました。かわいい馬、優秀な馬にも恵まれました。ほんと〜に感謝しています。来 シーズンが待ち遠しくてたまりません。

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Oさんは5月の大会ではオレガノでベスコン。今回3位で連続表彰台の快挙です! 大変だったようですが、がんばった甲斐があったのですね。 さて、これから寒くなり、富士山も雪化粧をし、ますますきれいになります。 富士山麓のクラブ、ネイティブでトレーニングをしている 津別からの馬たちに、皆さん会いに来てくださ〜い。 北海道からもいかがですか?
富士山きれいですよ!! (報告:Sanae.S)

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