津別ホーストレッキング研究会 ドクター・ミラー  グランドワーク  ホースウィスパラー

第1回 バック・ブラナマンによるデモンストレーション
2012年11月25日(日)
ナチュラルホースマンシップ ということが言われだして30年ほど経つだろうか。 グランドワークを指導するホースマンも増えたことだろう。 ナチュラルホースマンシップということばを造語し世に知らしめたのはパット・パレリであるが、 ホースマンの誰からも尊敬されているのはトム&ビル・ドランス兄弟(故人)のようだ。 そのドランス兄弟の弟子筋に当るホースマンがレイ・ハント(故人)のようだ。 そのレイ・ハントに近しいホースマンがバックということになる。 そこいらあたり最初のクリニシャンをどうぞ。
写真をクリックしてください... (
1/15
)      [御殿場馬術競技場にて]
デモに登場する馬について青木さんから聞いていたのは 『4頭のうち2頭はクォーターホースで主に外乗に使っているそうです。 この馬たちをもっと良く調教してレーニングなどの競技会にも出してみたいということです。 1頭はアパルーサで競技会などに連れて行くと急に暴れだしてしまうという馬をどうするのか? 最後の1頭はオーストラリアから輸入した3歳のハーフリンガーだそうで、 何回か乗ってはいるがまだきちんとした調教はされていないそうです。』 以上の4頭の他に木曽馬が1頭。全部で5頭だ。

当日は晴天。御殿場駅から紅葉を眺めながら歩き10時半に馬術競技場に到着。 デモは予定通り12時に始まった。見学者は300人ほど。 ナチュラルホースマンシップによるいわゆるグランドワークにおいて、レスペクト(尊敬、信頼)ということが言われる。 その点に関して登場した5頭は全て(かなりの程度で)人をレスペクトしていない。 レスペクトするように教えられてこなかった、扱われてこなかったということだ。

最初の馬はバックの姿を見て立ち上がったりバックの手からリードロープを奪い馬場の中を走り回ったりした。 アパルーサも最初からかなりの抵抗を見せた。次の2頭も同じだ。人の求めに応えて(後肢を)動かそうとしない。 最後に登場した木曽馬もかなりのものだった。求めに応じて動くどころかロープから逃れようとして強烈に引っ張る。 さらに前の4頭よりもひどいのは、しつこくバックに体当たりを繰り返すことだ。 そういう馬たちに対してバックは根気よくタイミングよく馬を(自分の意図するように)動かそうとする。 そして、4時間のデモの間に5頭全てが人(バック)をレスペクトするように変わったのである。 本もたくさん読んだ。ビデオも見た。しかし、それぞれ程度の違う5頭が登場し、 連続して4時間という長時間、その変化の様子を目の当たりにできたのはすごく貴重な経験であった。
【司馬記 2012/12】  

第1回【2012/11/25 (日)】のポスター