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ハエや害虫が発生し活動する場所に適した対策
【内容は FARNAM HORSE の中の Guide to Effective Fly Controlです】

WIPE U with Citronella馬用に開発された製品で効果があるようです。
コルトサービス東京で扱っているそうです。興味のある方はそちらへどうぞ。

TOTOさんがネット販売をしているComfortでは、シダーウッド、レモングラス、
レモンユーカリ、シトロネラ、ラベンダーというエッセンシャルオイルをベース
とした安全でナチュラルな虫よけスプレーを扱っております。お問い合せを。

ハエやアブも昆虫です。 昆虫エクスプローラで色々な虫たちをご覧ください。

Bot-Fly は馬の体内(口、胃)に寄生し、また、いわゆるハエは馬糞とか汚物に卵を産み付けるので、環境整備でそれなりに効果があるようですが、ある種のアブは糞や汚物に卵を産むのでなく、人や馬の生活圏から離れた場所(池や水辺など湿潤な自然環境)で産まれ成長するので、そのコントロールはなかなか難しいようです。

アブについてJudiに聞いてみた。
日本のウシアブは米国のホースフライだと思います。私たちも外乗中にしょっちゅう狙われます。 こちらではホースフライよりもディアフライの方が困りものです。色は黒でふつうのハエよりも大きいですがホースフライよりは小さく、しばしば5−10匹の集団で襲ってきます。馬も人も刺されますが大変痛いです。ディアフライは耳の周囲を狙いますので、編物の帽子をかぶらせています。幸いなのは彼らが活発なのは夏のシーズンだけということです。 『寄せつけなくする薬剤=リペラント』を使ってはいますが、ディアフライには効果がありません。蚊も馬を悩まします。DEETや一般的なスプレーも使いますが効果的とは言えません。最も効果的なのは突っ走ってアブを振り切ることですね!何かいいものがあったら教えてください。

アブはハエ目アブ科、ハエはハエ目ハエ科ということだそうです。姿形からホースフライとディアフライはアブの仲間のようですね。アブにも色々あるようですが日本でよく見かけるのは、薄茶色で目が緑っぽく胴体に太い横縞がある、17−27cm位のウシアブ(学名:Tabanus trigonus)というアブです。写真のHorse Flyウシアブとは色合いは違いますが全体的な姿形は似ていますね。 繁殖場所、繁殖方法が特異なため、そして飛翔能力に優れ離れた場所から飛んでくることができるため、Horse FlyとDeer Flyが一番やっかいなようです。

ホースマンファーム朝霧は周囲を森に囲まれ環境がよいせいでしょう。今年(2004年)6月に朝霧に行ったときはその多さに(馬も人も)びっくりしました。 繋ぎ場にもやってはきますが、多くはありません。外乗にでかけた日の天候、時刻、その場所によって、その数が大きく違ってきます。アブ発生の程度は、その日の天候・気温に大きく左右(暖かく風のない日に活発に活動する)されますが、その年によって発生の程度がかなり違うようです。

ハエやアブ対策については、それぞれ工夫して薬剤を調合したり、市販の製品を使っているようです。 各種ハーブ、およびそれらを混ぜたもの、除虫菊、木酢液も効果があるようです。 これら天然素材と化学合成素材があるのでしょうが、人馬(および他の生物)への害を考慮することが第一ですね。そして、ハエやアブを寄せつけない効果はむろんですが、その扱いやすさ、効果の持続時間も重要なポイントですね。 Mr.Jも、効果のある成分、その組み合わせについて色々と研究し有効なものを発見しました。ハエやアブの種類や生態について、インターネット上で報告されているものの一部をご紹介します。

困りもののハエや害虫ですが、どんなものがいるか、種類と特徴と実害の内容は.....

名前(Who) 特徴(What) 害の内容(Why)
1 HOUSE FLIES
家バエ
(Filth Flies:汚物バエ)肥料やゴミを棲家および食料とする。餌を食べるのは昼間。 病原菌を撒き散らす。馬をイライラ、気分を悪くさせる。
2 FACE FLIES
顔バエ?
(Filth Flies:汚物バエ)
涙、粘液、唾液を食料とする。
病気を伝染させる。目をこすってしまったり、結膜炎、Horse eye wormsを引き起こすし、涙が過剰に出たりする。神経質になり体重が減ることもある。
3 HORN FLIES
つのバエ?
(刺しバエ)
牛の糞で新しいものの中に卵を産み付ける。
放牧されている馬に四六時中集ってイラつかせ運動能力などを低下させる。腹の部分に皮膚炎をおこさせる。
4 STABLE FLIES
はて?
(刺しバエ)
糞や湿った腐敗物に卵を産み付ける。餌を食べるのは昼間。
刺されると大変痛い。馬伝染性貧血症を引き起こすことで知られている。肢や腹を刺す。
5 BOT FLIES
馬バエ
蜂に似たハエで、肢、胸、顎に卵を産み付ける。Bot=馬バエの幼虫。 その幼虫は体内に寄生し危険である。馬が産み付けられた卵を舐めることで口中、体内に入り、幼虫は唇や舌の中に食い込んでしまう。胃に移動し何ヶ月もそこで成長する。
参考サイト: Bot-Flyの成長サイクル
6 HORSE FLIES
馬バエ
アブ
(刺しバエ)
沼や池など常に湿ったところに生息する。餌を食べるのは昼間。
刺されると痛く血を吸われる。白癬のような皮膚病、野兎病、anaplasmosis、馬伝染性貧血症を引きおこす。
7 DEER FLIES
アブ
(刺しバエ)
ゴミに住みつく。餌を食べるのは昼間。
刺されると痛く、痛みはなかなか取れない。馬伝染性貧血症、encephalomyelitisを引き起こす。
8 MOSQUITOES
水の無くならない場所に生息し血を吸う。
明方、夕方に活発となる。
刺されると痛く痒くなる。西ナイルビールス、encephalomyelitisといった致命的な病気を伝播する。
9 GNATS
ぶよ
刺して血を吸う。流れのある水路や湿気のある場所に生息する。
耳の内側を強烈に刺し、大きな刺し痕を残す。
10 TICKS
ダニ
体外(皮膚)に寄生し血を吸って生きる。
Lyme Disease、Rocky Mountain spotted fever、Colorado tick fever、anaplasmosis、
馬伝染性貧血症などなどを引き起こす。
11 CHIGGERS
毛ダニ
体外(皮膚)に寄生する。穀類に付く虫の幼虫である。 外皮組織の中に進入し、たいへん痒いできものとなる。馬から馬へ容易に伝播する。
12 MITES
小さな虫
ほとんど顕微鏡サイズで体外(皮膚)に寄生する。 白癬などの伝染性の皮膚病を引き起こす。
13 LICE
しらみ
体外に寄生し、皮膚細胞や血を食料にして生きる。 フケがひどくなったり油っぽい皮膚となる。大きなできものを作ったり、貧血となる場合もある。


対策編
ハエの活動が活発になってから”それらと闘う”よりも、より容易で経済的である、シーズン早期に対策を始めること。 ハエその他の害虫は馬だけでなく人にも危険です。1つの製品を使うだけで全てを解決することはできません。 いろいろな角度からのアプローチが必要であり、我々は『ゾーン(区分、区域)・コントロール』と表現しています。
製品詳細はFARNAM HORSEにあります。
【ゾーン@:馬に直接用いる製品】
当然ながら、ハエを馬に寄せつけないのが究極の目標です。 上手にコントロールすれば馬を快適な状態においてやれるし病気も防げます。 ゾーン@の製品には、ハエ・スプレー、スポット・オン、ローション、軟膏、ハエ避けマスクがあります。
  1. 使う前に製品のラベルを十分読み注意事項を確認し守ること。濃縮されたものを使うときは、指定された適量の水で正確に薄めること。
  2. 『製品の使い方』に従って、馬の頭、顔、首、胴体、肢、尾などに用いる。
  3. 他の製品と混ぜて使ってはいけない。
  4. 目、口、鼻、性器などの粘液で覆われている皮膚に用いてはいけない。
  5. 効果が上がるように体毛が皮膚にくっ付く程度に湿らすが、しずくが滴り流れるほどにしてはいけない。
  6. 目の上に用いてはいけない。馬が汗をかいて製品が目に入るおそれがある。
  7. 鞍(&鞍下)、腹帯、頭絡(ハミ手綱全てを含む)、長靴の下(・・が馬体に接する部分)に用いてはいけない。 (摩擦で)熱が発生し(化学)反応を起し得る。
  8. 直射日光、熱、水蒸気(湿度)により製品の成分を劣化させることがあるので、スプレイ(製品)を屋外に出しっぱなしにしないこと。
  9. 馬を清潔に保っておくこと。
【ゾーンA:厩舎内で用いる製品】
厩舎内を上手くコントロ−ルし、成虫であるハエを駆除できれば、ハエ(そこで)卵を生むことを防ぐことができる。ハエは糞、腐った有機物に卵を産み付けるので、厩舎内を清潔に保つことは重要です。ゾーンAの製品には、餌と一緒に食べさせて(feed-thru fly control supplements)ハエをコントロールするサプリメント、ゾーン@で言及したスプレー、ハエ取り器(紙)があります。
  1. いやな匂いのしないハエ取り器を設置する。逆にハエが集まってしまうような製品を使わないように。
  2. 夜間、風の吹き込みや空気の流れを嫌って、天井や天井に沿った横木に留まっているので、それらの場所にも対策を講じておく。
  3. ハエの活動が活発になる一週間か二週間前に、ハエが休眠している場所を掃除するなど駆除対策を施し、 (少なくとも自分の牧場に関しては)ハエが活発になる時期を遅らせる。
  4. 気温が華氏80度になると、ハエは(どこからともなく?)集まりだして、床(や地面)の上で餌を漁るようになるので、地面にハエ取り器を置き、床に殺虫剤を施すなどの対策をする。(ここで、床と地面という言葉がでてきた。床の上で餌を漁る・・・と書かれている。地面にハエ取り器、床に殺虫剤、と書かれているが、馬が口を付ける可能性がある場所では地面に殺虫剤を蒔かないということかもしれない。)
  5. 厩は清潔に乾燥した状態にしておく。濡れた寝藁は早めに取り替える。
  6. 厩舎の壁を清潔に殺菌しておく。ゴミ桶、ネコ車、シャベルなどの道具を洗って綺麗にしておく。 水桶や餌桶をゴシゴシと洗い、汗のついた馬具をきれいにし、馬の肢巻き鞍下を定期的に洗濯し、装蹄した後の蹄のカスは片付けておく。
  7. 餌にはカバーをしておくこと。床に餌をこぼしてそのままにしておかないこと。
【ゾーンB:屋外で用いる製品】
糞その他のゴミを片付けて屋外環境を清潔に保っておけば、ハエが繁殖する場所をなくしハエの数を少なくできる。 ゾーンBの製品には、高性能な殺虫剤(あるいは殺虫効果のある餌)を蒔く散布機(Scatter Baits)があります。その他には、捕虫器は殺虫剤を用いずに大量のハエを捕らえ殺すことができます。
  1. 厩舎、中庭、下水などの水路、家などからハエを追い払うために、施設の周囲に捕虫器を設置する。
  2. ハエが多量に発生する場所に殺虫効果のある餌を散布する。子供、家畜、ペットが近づかないようにしておくこと。
  3. ハエが卵を産み付ける馬糞、使用済みの寝藁、不要な餌などの有機物を片付けておく。
  4. 3.のように片付けられない場合、ハエの生存サイクルを立ち切ることができるように、糞などに住みついている幼虫を殺してしまう処置を施す。
  5. パドック、コラルを清潔にしておく。
  6. 毎週、屋外の水路を掻き出してきれいにしておく。
  7. 水がたまってしまうようなものは全て取り除き、蚊が卵を生める場所をなくしてしまう。



Horse Fly[ホースフライ]
ロードアイランドのHorse Fly と Deer Flyについて。

URI(University of Rhode Island)
ロードアイランドは米国北東部
Green Share facts sheet
Deer and Horse Flies

Deer Fly[ディアフライ]
ホースフライとディアフライはハエ目(the fly family Tabanidae)に属すが、ホースフライ(genus Tabanus)はディアフライ(genus Chrysops)よりかなり大きい。両者に共通の特徴は大きな頭と大きな目である。 ホースフライは20mm (3/4 インチ)から25mm (1インチ)以上のものがいる。海辺や沼地でよく見られるものを Greenhead Fly(学名Tabanus nigrovittatus)という。この種類は、明るい緑色の目をし、赤や紫色の帯があるものもいる。大形のものは茶色ないし黒色で、腹の部分に縞模様(や三角模様)がある。大形のものはそんなに多くはないが、他の種類のホースフライと同じように刺されると大変痛い。

ホースフライの触角は太く5本の細い部分から成っている。ディアフライの触角は細く長い。 ホースフライの羽は透明か全く黒いかであり、ディアフライの羽(の色)はかなり色々である。 ディアフライはハウスフライと同じで、多くの場合、腹の部分に黄色あるいは黒の縞模様がある。 ディアフライの羽は多くの場合、暗い色の模様があり、目は金色−緑色など明るい色をしており、 明るい色の太目の縞がある。

どんな害があるか
ホースフライもディアフライも血を吸うのは雌だけである。両者とも人を含め、 牛、馬、らば(ミュール=雌馬と雄ロバの雑種)、ホッグ(去勢雄豚)、イヌ、鹿、その他の動物を刺し、ひどい痛みを与える。剃刀あるいはナイフのような形の口を持っており動物の皮膚を切り裂き、数分間にわたり傷口から血を吸う。 こういう過程を経て、炭そ熱、野兎病、anaplasmosis(マラリア?)、豚コレラ、馬伝染性貧血症、フィラリア、といった病気を伝播させる。 これらのフライによって作られた傷口を他の害虫が見つけ、傷口から血を吸うということにもなる。 海岸、水路や川、池、湖、森の周囲、近くに大きな水源がある未舗装道路、こういったところの近くにいる人はしばしばディアフライに刺され、機能障害、高熱といったひどい被害をこうむることがある。フライの唾液によってアレルギーをおこすこともある。唾液は吸っている血が固まらないように傷口から体内に流し込まれるのである。

ライフサイクル
ホースフライとディアフライのライフサイクルは似ている。 まず卵の状態であるが、黒っぽく光沢があり細長い。2−3百個から数百個がまとまった状態である。 水溜りや池などの水源の上におおいかぶさった草木に”卵のかたまり”が産み付けられる。 卵は5−12日で孵化し幼虫は下に落ち土の中(水底の泥の下か?)にもぐりこむ。 沼地、湿地、池、湖、川の周囲というところが格好の棲家である。ディアフライの幼虫の食料は細かな有機物、有機物の破片などである。ホースフライの幼虫の食料は、有機物の破片、虫、小さな甲殻類、かたつむり、ミミズなどであるが、共食いもし、他の幼虫も食べる。

幼虫は湿った土中で冬を越し晩春に成熟する。 完全な成虫になるまで1−3年かかる場合も時にはある。 晩春、湿った土中から乾燥した土中に移動しサナギとなる。サナギの期間は種類によって違うが、気温によって6−12日である。 サナギから成虫となると、すぐに血を吸い始め、交尾を始める。成虫は飛翔能力に優れ、目で血を吸う相手と交尾の相手を探しながら飛ぶ。雌は卵を産むために血を求めるとともに飛び回るためのエネルギー源として花の蜜や樹液を吸う。雄も飛び回るためのエネルギー源として花の蜜や樹液を吸う。

コントロール(対処方法)
残念ながら、ホースフライとディアフライに関しては満足にコントロールできる方法はない。 彼らの成長する場所(棲家)、特にこれらのフライが見られる(生息する)危険な湿地や沼などを対象に駆除しようなどということは現実的ではない。幼虫をなんとかしようというのも現実的でない、駆除しようとする地域がリクリエーションエリアや貯水池などがある地域ならなおさらである。成虫を駆除しようとするのも現実的ではない、そーしようとすれば、魚、野鳥、哺乳動物に害のある可能性のある殺虫剤を多量に使用することになる。 昔から使われているリペラントはホースフライとディアフライには効果がない。 DEET(N-diethyl-meta-toluamide)を含むリペラントは刺すことは防げるかもしれないが、”馬にとまらせないようにする”ことはできない。

ホースフライとディアフライが最も活発になるのは暖かく風のない時である。 気温がちょっと下がったり急に風がふいたりすると活動は衰える。 ホースフライとディアフライは目で獲物の動きを捕らえその居場所を察知する。 黒っぽく動いているものに集る。また獲物が吐き出す二酸化炭素を感じとって集る。 服装は明るい色で、明るい色のキャップをかぶるのは効果的である。特に暖かく風のない時には。

何か動くものに引き寄せて捕らえる(殺す)道具は色々と開発されている。 そんな道具の中には、何かを回転させて捕らえるもの(the trollong deer fly trap)がある。この道具は、色のついた車輪のようなものが回転し、その車輪のようなものの外側にネバネバしたものを塗った器(カップ)を配置したものである。 Tred-not Deer Fly Patch(Patchは当て布のようなものかな)というもの(Patch)は、新開発の化学成分を含まない粘着剤を使っている。これらの、いやな匂いのしない化学成分を含まない粘着剤を使ったもの(Patch)は効果がある、との報告がある。この当て布(Patch)は7.5cm(3インチ)−15cm(6インチ)の大きさで、キャップの”ひさし”の裏に取り付けて(貼り付けて?)使う。そのPatchの粘着剤にくっついて捕ってしまうということである。

黒っぽく、動く部分があり、さらに二酸化炭素その他のおびき寄せるものを用いた、多くの補虫器具が開発されている。 これらの器具で完全に除去することはできないが、我慢できるレベルの数までに減らすことができるかもしれない。 キャノピー(屋根のような覆いのある?)・トラップ、ボックス(箱型)・トラップ、Malaise・トラップ、光・トラップなどがある。

市販のホースフライ用とディアフライ用リペラントは動物用である。ほとんどのリペラントはPermethrinを含んでおり、人体に有害であるので、使用方法に従い注意して用いねばならない。馬に安全であっても、必ずしも他の動物に安全とは限らない。製品のレベルに書いてある事項に従うこと。


ホースフライ と ディアフライ

HORSE FLIES AND DEER FLIES
by Lee Townsend, Extension Entomologist
University of Kentucky College of Agriculture
米国ケンタッキー大学
上記、URIの報告となるべくダブらないように記す。

多数のアブに刺されると乳牛や肉牛の乳量が減ってしまう。さらに馬や牛はアブに襲われると”ひとかたまり”になろうとするので放牧にも支障をきたす。また、アブから逃げようと走り出しケガをすることもある。 血を吸われることによる血液の減少もかなりなものである。こういう報告もある。 何匹かのアブが集って1回に1ccの血を吸う。20−30匹のアブが6時間ほどの間にティースプーン20杯ほどの血を吸う。この調子で吸われると、10日間で全血量のワン・クオーターが吸われてしまうことになる。(はて、馬の血量は何リットル?ワン・クオーターとは1/16?)アブは何度でもしつこく襲ってくるので刺された馬や人は追い払おうとする。すると追い払われたアブは他の獲物を狙う。この連鎖で動物や人に病気が伝播する。

ライフサイクル
ホースフライとディアフライの幼虫は池のほとりや川岸、沼地、水のしみ出ている場所で成長するが、水中で成長するものも比較的乾燥した土中で成長するものもいる。卵は池などの水の上や湿った土壌の上にある草木に25−1000個のかたまりとして産みつけられる。卵から孵化した幼虫は草木から下に落ち、土中や水中の腐敗した有機物や有機物の破片を食べて成長する。 種類によって違うが1−3年間、幼虫として存在する。成熟した幼虫はサナギになるために乾燥した土中に移動し最終的に成虫として羽化する。

人を守るために
ディアフライは夏のある時間帯に活発に活動することが多い。屋外において、DEET and OFF(N-diethyl-meta-toluamide)のようなリペラント(アブなどを寄せつけなくする薬剤)は数時間の効果がある。 リペラントの使用の際は使用方法に従うこと。繰り返し使用することでアレルギーを起こす人もいる。使用年齢の制限についても留意すること。

Permethrinをベースにしたリペラントは、衣服の上から使用するものであるが、効果はより長く持続する。 リペラントの効果は、フライを(人や動物に)”とまらせない”ようにすること、あるいは”とまったとしても”血を吸う前に飛び去らせてしまうことである。しかし、アブを寄せ付けてしまう要素(人や動物が動くこと、二酸化炭素など)がなくなってしまったわけではない。リペラントを用いた後でも、アブは人や動物の回りに集まってくる。 明るい色の衣服を着ること、メッシュのアウトドアウェアを着ることは効果が見込める。 メッシュの覆い付の帽子、首を覆うもの、ネッカチーフなども効果を増すことができる。

動物を守るために
ホースフライとディアフライは水泳プールでも困った存在です。水面のキラキラした輝き、泳いでいる人たちの動き、アブはこれらに引き寄せられる。これは有効というお薦めの手段はない。 Permethrinがベースのスプレイは家畜および馬に効くとある。 これらの殺虫剤の効果により、アブは”とまった”としてもすぐに退散する。ということは、薬がしみ込んで死んでしまわないので、わずらわしく飛びまわっていることになる。アブたちは動物の回りをしつこく飛びまわり、スプレーが十分にかかっていない部分(腹の下とか肢)、あるいは薬が剥げてしまった部分などを狙ってくる。何度も繰り返しスプレーしなければならない。 どの程度の頻度でスプレーしてもようかラベルを読んで調べておくこと。 Pyrethrin(除虫菊)ベースのスプレーも効果があるが、permethrinほどの持続力はない。 ホースフライとディアフライは明るい場所が好きなので、ふつう厩舎の中や日陰になるところにはやってこない。 (アブが活発な)昼間、アブの攻撃から守ってやれれば、アブに悩まされ続けることから開放される。 アブがおとなしくしている夜間に放牧してやってもいい。

コントロール
ホースフライとディアフライの成長する場所を突き止めたり、その場所で駆除したりということはむずかしい。 アブは自然環境が微妙に保たれている湿地で成長するため、排水を良くしたり、殺虫剤を散布するということは、 不特定の有機体や水源にダメージを与える恐れがある。さらに、アブは飛翔能力が高く、遠いところから飛んでくることができる。成長する場所から実際に問題が起きる、起きている場所とは、かなりの距離がある場合もある。 幸いなことは、ホースフライとディアフライが活発になるのは1年のうちの限られた期間であり、その期間、 自らの行動を制限したり、リペラントを使うことで、野外活動を楽しむことができるであろう。

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