メディア配信
ABC Riverina Radio
最近のエリックは、毎週、The ABC Riverina radio stationで、いかにしてランビーを慣らしていくかについて語る番組を持っている。エリックのクリニックにおいては、ボディーランゲージを使いながら、いかにして馬に近づくかという最初の段階から、
鞍付、ハミ付、そしてライダーを乗せるまでをデモンストレーションして見せます。番組最後のエピソードは、初めて鞍付されたブランビーがライダーを乗せヤカンダンダーの街中を闊歩するというものです。
テレビのドキュメンタリー番組では、
エリックが実際に.荒野に群れるブランビーたちとコミュニケーションする様子を紹介しています。
Monty Roberts - "Join Up Journal"
モンティーロバーツ・マガジン「ジョイン・アップ・ジャーナル 2002年2号」では、『自由への回帰』
(Return to Freedom)と題してエリックについて書かれています。
ボーダー・メール 'Pulse Cover Story'
by David Thorpe(2004/3/13)
野生馬もエリックのすることは受け入れます。
多くの人にとって高地で自由に暮らすブランビーを見ると言っても「ちらりと垣間見る」ということでしょう。
ヤカンダンダーを本拠とするホーストレイナー、エリック・ゴッドワードは、荒野で暮らす彼らに触れることができるほど接近するという珍しい経験の持ち主です。
その秘密は人と馬とのコミュニケーションにあります。
エリックは、40年にわたりホースマンとしての腕を磨いてきましたが、馬が理解可能な馬語(ボディーランゲージ)によるコミュニケーションのし方を体系的にまとめあげたのは最近のことです。
彼がコミュニケーションしたいと願っている野生馬(ブランビー)はビクトリア州の高地で暮らしています。そのブランビーたちに近づこうとするやり方はすっかり変わってしまいました。変わる以前のやり方というのは、馬に乗って原野を駈けブランビーたちを追いかけるというものでした。しかし、こーゆーやり方というものには危険が付き物で、さらに、フラストレーションを伴うものでした。彼らは逃げ足が速く、自分たちが暮らしている地域について熟知しているわけです。ほとんどの場合、彼らは追っ手を振り切って逃げてしまいます。
今では、エリックのブランビーへのアプローチのし方はおだやかなものになっています。彼は馬に乗らず、歩いてブランビーにアプローチする方法を学んだのです。エリックは、ボディーランゲージを使うことによって、人を恐れるという本能を持った野生馬の気持ちをやわやげ、馬との間にある関係(良い関係)を築くことができるのです。遠くにブランビーたち(群れ)がいます。エリックは離れたところにいます。群れが移動します。エリックも馬の移動に合わせて動きます。こーゆーエリックの動きを馬たちは許すようになるのです。
離れたところから、エリックは馬とボディーランゲージを使ってコミュニケーションできるのです。エリックのボディーランゲージを理解した馬たちはエリックを信頼するようになるのです。移動したり身体を動かしたり、これらは馬を怖がらせないやり方で行います。アイコンタクトの使い方、ある種の腕の動かし方など、こーゆー動作を使います。馬たちは、エリックが自分たちのコミュニケーションのし方を心得ていることに安心し、信頼をおき、彼ら自身がエリックに近づいてくるようになるのです。
エリックは・・・『従来のやり方で馬を追うのは確かに昂揚感を伴うものですが、馬に触れることなく、馬が自ら人に近づいて来たとき、アドレナリンは増加し、そのゾクゾク感は従来のそれに勝るものです。馬たちは気持ちがやわらぎ、人は信頼できるという確信は強くなり、自ら人が触れるほどに近づき、そして触ることを許すのです。』と言っています。
それでも馬は用心深いものです。馬に乗って近づこうとしたときはなお更です。ですから、馬が人を視界に入れたとき、その馬に『自分が馬にとって信頼に足るものである』ということを分からせるために与えられる時間はほんのわずかです。馬は生れたその日からボディーランゲージを学び始めます。しかし、人がボディーランゲージを第2外国語として使えるようになるには、それなりの努力が必要です。
エリックは・・・『これらのボディーランゲージを使ってブランビーと付き合うようになって3年経ちます。そして彼らに近づけるようになったのです。そーなるまでには、多くの忍耐と、馬にとって何が良く何が悪いかということを見つけ出す時間が必要だったのです。馬の動きを読みながら、動いていいとき、止まらなければならないとき、を判断しなければなりません。大切なことは、馬に無理強いするのでなく、こっちにおいでと誘う(頼む)ということです。野生馬が貴方に近づいてくるということは、馬が貴方に抱く信頼がより強くなっているということです。初めて1頭の牝馬と雄馬が私に近づいて来た時、我を忘れて喜びにひたったものです。
馬というものは繊細・敏感な生き物です。人は一挙手一投足に細心の注意を払わねばなりません。ハエをピシャリと叩いたり、急な動作をすれば、馬はすぐに逃げてしまいます。馬はほんとうに些細な動き、例えば、目(線)だけでも急に変えただけでも、それに反応します。さらに、呼吸も浅くするようにコントロールしなければなりません。ワクワクしていたり、ドキドキしてたり、アドレナリンが増えている時に、こーゆーコントロールはむずかしいこともあります。これらのことはブランビーから学びました。ブランビーこそが最高の先生です。
馬との親密な関係を築くための技術を得て、さらに発展させることは、誰にでもできることです。そのためには努力が必要ということです。荒野に入り、野生馬が貴方に近づいてくる、なんとすばらしいではあ〜りませんか!そのときが、やった!と言える時です。』と言っています。
エリックの情熱は、ナチュラルホースマンシップをさらに究める方向に向かわせました。米国の有名なホーストレーナー、モンティ・ロバーツと共に、エリックのテクニックを体系的にまとめあげる仕事につながったのも、その1つです。エリックの馬との関係は子供の頃からです。米国に数ヶ月滞在した後、子供頃からの体験を基にしたテクニックに磨きをかけ完成させたのです。
エリックは・・・『従来の方法では、馬は人に服従し馬の本能のある部分を押し殺さねばなりませんが、ナチュラルホースマンシップによる方法では、トレイナーあるいはライダーは、馬とコミュニケーションが可能なのです。今まで、いつも最もよいと思う方法でやってきました。その中のある部分は過去数年の間に学んだことです。馬と関る人達の中にも変化が出てきています。まず馬の観点から物事を見る、というように変ってきている人もいますが、従来のやり方に慣れ親しんでいる多くの人のなかには、ナチュラルホースマンシップの考え方に良い印象を持っていない人もいます。』と言っています。
大きな誤解は、ナチュラルな考え方は、ただ馬にやさしいというだけで、馬に人がやって欲しいことをやらせない、というように受けとっていることだと思います。ナチュラルホースマンシップのやり方というのは、馬が人の望まないことをしたとき(物理的な)罰を与えるのでなく、馬が人の望むことをしたとき誉めてあげる、というものです。トレーニングは馬の本能による行動を利用するのです。馬は一瞬一瞬を生きています。つまり、ある事象について、ちょっと時間が経過すると、その因果関係を把握できないのです。そーゆーわけで、従来のやり方に従って、人の望むことをしないからといって罰を与えても、馬にとって、それは因果関係のある罰ではなく、ただ唐突な痛みでしかないのです。
ナチュラルホースマンシップの考え方は、人は馬に人の意思に服従させるのではなく、馬に、人(貴方)は馬にとって恐怖の対象ではないことを分からせて、馬の(人に対する)信頼を得る、ということです。馬が人に信頼をおくということは、馬が、人(貴方)は一緒にいるだけの価値ある存在である、と考えるということです。馬の信頼を得ること、それは多くの小さな事から成し得ることです。馬が人の意思に反した時に罰を与えるのでなく、馬が人の意思に従った時に誉めることです。ご褒美は食べ物である必要はなく、大げさなものである必要もありません。例えば、ちょっと目線を下げる、ちょっと腕を動かす、それだけで、馬には十分なご褒美なのです。
そこにはアドレナリンが涌き出るような目立った変化はありませんが、馬は喜んで人(貴方)の思うように行動します。
なぜなら、馬は自分の行動が、人にとって喜ばしく、その結果、自分にとっても心地よい結果につながることを知っているからです。私は30分以内に、初めて鞍付し、ハミ付し、さらに騎乗することができます。むろん、十分トレーニングできた(十分な調教ができた)と言わしめるには、さらにトレーニングを続ける必要がありますが、馬にとってのこの経験は恐怖を伴わない安心できる(positive)ものであり、これから先も安心して明るい気分でトレーニングを受けていくでしょう。
馬が持っている美質は、人の意に従おうとする場合、この程度で人は満足するだろうということを学習するのではなく、
出きる限りのことをして人と共にあろう、とすることです。ナチュラルホースマンシップの考え方に従うということは、馬の持っている美しきもの(価値)を引き出すということであり、それは美しき(価値ある)ものを創り出すことでもあるのです。それは、 互いの信頼であり、その信頼が確かなものであるという自信、そしてリーダーシップです。』と言っています。
エリックは、荒野に暮らす野生馬(ブランビー)がオーストラリアの遺産として、かの地で暮らし続けられることを望み、次のように言っています。
『将来も、ブレンビーを我々の遺産として、感謝を持ってその存在を認め、存続可能な方法で管理されることを望む。
世界のどこか別の地に行ったとき、そこで野生馬を見ることができれば、それは地上の最高のものの1つだ、と実感するでしょう。そして、彼ら野生馬の存在を誇らしく思うでしょう。』
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