トップへ  第1回釧路湿原エンデュランス大会  釧路湿原お楽しみトレッキング

司馬羊羹のエンデュランス初体験記

平成13年8月某日、津別の馬方さんより9月2日鶴居のエンデュランス大会40kmに出ないかとのお話が。9月2日とな・・ふむ、これはJASのお誕生日特割が使える。というわけで歩いて数分のJTBへ行く・・あっという間に搭乗券の発券終了。あとは搭乗日を待つだけ。
8月31日(金)朝からしとしと雨であった。せっかくの道東である。午前中、1年ぶりの某所(言わずと知れた・・)で爆走。13時半、久しぶりに網走駅よりローカル列車で美幌へ向かう。網走から美幌まで約30分。美幌から30分。津別の牧場到着。


写真は牧場南斜面に広がる放牧地から撮影:けっこう広いですよ】

雨は強くなったり弱くなったり、今日は本番前に人馬の調教のため軽く走る予定であったが雨は止む気配もない。なかなか止まないので、そんじゃ行きましょうかということで、今回ペアーとなる”初”と、深い緑の中、8kmばかりのショートコースを走る。聴診器使ったことありますか?これは(鼓動が)よほど大きく聞こえるものと思っていたが、さほどではない、というか”まあ聞こえる”といった感じであった。レ−ス終了後の馬体検査では心拍数も測定するが、獣医による馬体検査(VETチェック)の前にライダー自ら(手馴れた人に手伝ってもらってもいいが)心拍数が規定値以下になっていることを確認しなければならない。その予行演習というわけで、私も聴診器を渡され、”初”の心拍数を計ってみた。これがなかなか分からない。とりわけ”初”は分かりずらいとのこと。(-.-) 聴診器はボリューム調整ができる。ボリュームを大にして、我々が身体にピタッと当てられる(おっ冷たい)集音部分を指でコンコンと叩くと・・・また馬の心臓部分に押し当てると馬の毛と擦れ合う音が、ガサガサガサ、おっ!さすが聴診器〜!というほどよ〜く聞えるのであるが、さてぐーっと押しつけて心拍はどーかというと、これが聞えない。毛と擦れ合うガサガサという音を聞きながら場所を少しずらしたり、トク・・・トク・・・おお聞えた。(^_^) それも途中で聴き取れなくなったり。(-.-) ともあれ、聴診器実習は終わり。会長はじめスタッフが集まり、明日の鶴居へ向けて、鞍、水桶、飼葉桶などの準備をする。いつもの宿はホテルフォレスターであるが、本日の宿はファームステイ・ティエラ(牧場から10分ほど)。ティエラに露天岩風呂はないが民宿なので料金が安いのと牧場に近いのがいい。

翌朝7時、馬方さんのお迎えで牧場へ。馬運車に馬達8頭(馬方さん運転)、トラックに鞍等もろもろ(会長運転)を詰み込み鶴居へ出発。釧路在住のぱぴるすさん&今回クルーをやってくれる馬友2名は現地合流。天気は曇りがちだが時折り青空も。久しぶりの道東ドライブを楽しむこと2時間あまり「鶴居どさんこ牧場」へ到着。5年ぶりの「鶴居どさんこ牧場」にはレストハウスや立派な覆い馬場が完成していた。さっそく馬達、もろもろを降ろし、馬達を当チームに割り当てられた丸馬場に移動し、鞍など荷物も割り当てられた場所にまとめて、やれやれ。事前の馬体検査(VETチェック)が始まる。ライダーは配られたゼッケンを着用し自分の馬を引いて検査を受ける。8頭全て合格。まずはめでたしめでたし。日本馬術連盟(日馬連)もエンデュランスに力を入れはじめたようで、エンデュランス限定B級という資格を設けた。今大会でもエンデュランス限定B級資格取得のための講習会ならびに試験(受講料かかります)が行われた。この資格は日馬連主催の全日本大会出場には必要である。この試験に合格すると自動的に日馬連の会員となり(まだ日馬連会員でない人は)、入会金と年会費を納めることになる。津別チームからは3人受講し3人とも合格・・・のようである。日馬連の騎乗資格について簡単に書いてみる。A級、B級、C級、D級がある。C&D級取得に際しては必ずしも日馬連の会員になる必要はない。B級以上は会員にならねばならない。C&D級はさほどでないが、B級になると実技もけっこうできないと。というわけか、B級の場合は、馬場限定B級もあるそうだ。またペーパー試験もけっこう面倒だ。(-.-) A級については知らない・・・まあ、これは縁がないでしょう。(^^; 日馬連のA級〜D級にしろ、全国乗馬倶楽部振興協会(全乗振)の1級〜5級にしろ、別に資格を持っているからといってどーってことはないでしょうね。何でも好きで続けていれば上手くもなるでしょうしね。ただ、馬場馬術、障碍飛越のあるレベル以上の試合に出るにはB級以上の資格が必要ってことがあるようですが。そーゆーレベルの人は乗馬人口の何%位かな?ともあれエンデュランスについても日馬連主催(あるいは公認?)の大会でなければ資格は関係ないでしょうし。馬場馬術、障碍飛越と同じように各地でローカル大会がありますし。そーわ言っても、目標を持つのは悪いことじゃないし、それぞれ個人のお好みということで。

馬体検査、講習会も終わると夕刻となっていた。足慣らし&ちょいとコースの下見ということで5kmほどか、全員8人馬で一っ走りした。「どさんこ牧場」前の舗装道路を横切りその道の脇の農道を行く。しばし進むと右手に乳牛の放牧地が広がる。速歩、軽い駈歩で進むと牛達も一緒に走り出した。牛達を後に進み舗装道路を横切り、熊笹、蕗、その他雑草が生い茂るなかを速歩、駈歩で進む。道らしきものがあるような、ないような、まあないですね。所々、笹や木の枝などに結わいつけてある目印の赤リボンを頼りに進む。引き返すと、日はとっぷりと暮れ、レストハウス前の広場では、そこここにバーベキューを囲む人の輪が、前夜祭は既に始まっていた。ジンカン、海の幸、山の幸・・・あんまり食べては重くなると思い(誰も思わないか)つつも飲んで食べて。明朝は早いのでそこそこにお開き。今夜の宿「ファームインつるい」へ。一応、明日の打ち合わせ、戦術など綿密に(ウソウソ(^^;)立てまして、アルコールもないので、2部屋に分かれてさっさとおやすみなさい。
さて9月2日競技当日の朝となった。
早朝7時には牧場へ出発。天気予報では晴れのはずが、小雨のしとつくあいにくの天気だが馬には良かろう。 レストハウスで朝食。各自馬装し広い草原でぼつぼつ足慣らし。天幕のなかでコースの説明。コース何番と何番が給水ポイントです。この辺りは湿地でヤチボウズがあるので要注意などと脅されて。この辺りの尾根道は片側が崖で、踏み外すと200mほど転げ落ちますので注意とか。この辺りまでは道が狭いので追い越し禁止とします。この辺りも道が狭いですが追い越す場合は声を掛けて追い越される方は道を譲って。ここには水が道を横切って流れてます。小川が、溝があります。この辺りは急な上りです下りです、下馬した方がいいでしょう、等など。そうそう、スタートからじきの乳牛が放牧してある広い放牧地(昨日、下見したところ)の横の道を通ると時は速歩でほどほどに通過してください。駈歩でドドド・・・と突っ走ると牛達がつられて走りだし怪我をするといけないから。

そーこしてるうちにスタートの時間となった。小雨の中、津別チームは8頭一列となりでスタートを切った。ライダーを見送ったクルーは給水ポイントへ。 さて、今回の津別チーム「いまもアイドル?」は、40km完走の経験者が3名、40km初出場の人が5名。今回の大きな目標は全員完走である。完走とはフィニッシュした後のVETチェックに合格することである。また、全日本大会に出場するための条件の1つに、国内外の40kmレースを1回以上完走していることというのがある。つまり40km初出場の5名には全日本大会への出場権も懸かっている。というわけで、8人馬が一団となってのレ−スである。昨日通ったところを過ぎると目に入る景色は新鮮なものとなり心地よい緊張感もある。 コース説明でも「このコースはタフなコースである」と言っていたとおり、たしかに、道のはっきりした林道、広い草原の他、熊笹の山の斜面、道なき道、けっこうきつい上り下り、湿地もあり、変化のあるコースであるが、個人的な好みを言えば、スピードに弱いってこともあるが、平坦なコースよりも”こっちのタイプ”の方が面白いし好きである。何番ポイント付近だったか、女性ライダーが落馬したようだ。彼女を後に進む、と、しばらくすると彼女は我々を追い越して行った。彼女は白滝の「どさんこトレッキング牧場」のライダーだった。表彰式で彼女(菅原さん)が第2位でフィニッシュしていたことが分かった。あっぱれ!さて、我々は前半、40kmも何度か経験のある”尾追+アリス”ペアーが先導し、後半、学生時代は馬術部で総合馬術もやっていたベテラン”ぱぴるす+すず”ペアーが先導した。第1給水ポイントを通過し快調に進む。さらに、目印(の赤いリボン)はどこだどこだ?っと探す場面もあったが、ともあれ順調に進む。

20kmを過ぎた辺りか、熊笹の生い茂る道無き下り急斜面を”引き馬”で下る。斜面を降りるとほぼ直角に林道にぶつかった。そのとき私は最後に林道へ降りたが、先頭は林道にぶつかって右方向少し先にいた。みな騎乗し目印に従って林道を右に快調に進むと、道は別の林道にぶつかった。ここを右に。緩やかな上りを快調に駆け上ると・・・ん?ここは通ったぞ?おかしいということに。(-.-) 地図を開くも、あいにくの雨のため地図は濡れてビショビショで役立たず。どーしたものかとしばし協議、確かに目印のとおりに進んだのだが、はて?さて協議していても始まらない、ともあれ戻ろうということに。他に目印はないか探しながら常歩で来た道を引き返す。先ほどは駈歩で進んだので気づかなかったが、20頭の馬が通過したにしては馬蹄の跡が見当たらない。そーこーしているうちに先ほどの場所に戻った。と、そこには棒杭に「←」の印があるではないか!左だったのであった。当日、40キロと20キロ(スタートは40キロの後)のレースがあったが、この棒杭から40キロコースは左、20キロコースは右だったのだ。目印のリボンに沿うように進めば棒杭が目に入ったであろう。また林道でなくてもそれなりに道らしくなっていればそこを通ったであろう。しかし、ここら辺りは熊笹の生い茂る斜面であったこともあり、目印のリボンから若干ずれたところを通ったため棒杭の「←」から右にずれたところに降りてしまったようだ。また、引き馬だったこともあり視線が低く足元に集中し視野も狭かったのかもしれない。さて私はというと、最後尾で一行よりちょっと離れて、比較的リボンの近くを通って下の林道に下りた。下りた時に棒杭が目に入っていたような気がするが「←」を見ていなかったのだろう。右方向に並ぶ一行に合わせて馬首を向けてしまった。棒杭を確認していれば・・・・ゴメン。ともあれ今後の良い教訓となった。コースを間違ったのは我々だけではあったが、20kmレースと40kmレ−スが同じコースの範囲と分かれる範囲があったわけだが、同じ範囲では同じ色の目印、違う範囲では違う色の目印、といった配慮があるといいだろう。第2回大会の時は宜しくご配慮願います。m(_._)m それにしても今大会の実行委員の人達は大変だったであろう。既存の林道や牧場などの開けた場所だけならコース選定、目印の配置もやり易かっただろう。しかし、何度も言うが、鶴居ならではのコースでしょうか、私は”お気に入り”である。来年も参加いたす所存。さて、第2給水ポイントに到着。「お〜い、どーしたんだー!」クルーの皆さんは待ちくたびれたご様子。

さて出発、残りは15km。熊笹の山中を掻き分け進むと視界が開けた。前方に放牧地が広がっている。みんな快調に駈歩で・・・・しばらく駈けながら、ん、なんか見覚えのある景色だな〜、さらに駈け続け、はっきりと思い出した!5年前である。家族旅行で道東を回った。北見ー美幌ー阿寒ー弟子屈と移動し、摩周から釧路へは列車に乗った。一行とは釧路でバイバイ、私一人鶴居へ向かった。「鶴居どさんこ牧場」の生みの親である瀬川さんを訪問。瀬川さんと二人で乗り、さらに一人で山頂に広がる放牧地を駈けたのであった。今駈けているのがその放牧地であった。牧場を遠望する高台に出た、レースも終盤である。牧場を眺めながら快調に進み、高台を下ると最後の25番ポイントである。心拍数を下げるため、ここから下馬し引き馬とする。フィニッシュが見えてきた。みな騎乗しフィニッシュ。尾追さん、ぱぴるすさん、先導役お疲れ様でした。さっそく馬装を解き馬達を休ませる。30分後に馬体検査が待っている。各自聴診器を手に心拍数を計る。さて”初”はどーか、やはり聴きとりずらい、一昨日に経験済みである。心拍は落ちているようだが、手馴れた尾迫嬢に確認してもらうと58というので一安心。さて馬体検査5分前とのアナウンスが流れる。各自馬体検査を受ける、全頭合格、完走である。めでたしめでたし。皆ほっと、遅い昼食をとる。外乗は比較的やっている方であるがエンデュランスは初体験。短時間に集中する馬場馬術(5〜8分)、障碍(まあ1分位)とはまた違う、長距離、長時間、自然の中で行われるエンデュランス競技は、また別の楽しさである。またよろしゅー願います。クルーの皆さんありがとう。一緒に走った皆さん、楽しかったですね。またやりましょーねー!私も足腰立つうち(むろんまだまだと思ってますがね)はやりますよ〜。エンデュランスはまだの方、まずはやってみましょ。

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