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美幌峠エコツアー
2001年6月1日〜2日

美幌町の美幌峠牧場にて鹿ウオッチングを兼ねたエコツアーを開催いたしました。

【 参加いただいた皆さんです。】

皆さん海外で乗馬を楽しんでいらっしゃるベテランの方達です。
当日は峠牧場でしか見られないロケーションに大満足しました。

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写真:先頭を行く久住さん。 乗っている馬はミッキー。6/22分娩予定です。 臨月の馬は初めてとのことで終始ミッキーに声を掛けられ労っていました。

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6/1時点で峠牧場周辺には、凡そ500頭の鹿が棲息しているそうです。 この鹿達のほとんどが、冬季間は阿寒国立公園内に移動します。 国立公園内は、狩猟が禁止されているため、「峠牧場ー国立公園」 といった季節移動を長年繰り返し、子孫を守り続けてきたのです。 秋(9月)になるとその数は、更に増えて1,000頭にもなるそうです。

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さすが美幌峠です。桜の開花も過ぎたのに未だ残雪も残っています。 (6/1時点で多いところで2m)馬でこの残雪を歩くと雪の上は氷河の様に 堅くしまつていて馬がぬかりません。不思議な現象ですが、聞いてみると冬 の積雪は多いところで6mもありますから重圧で雪が硬くなるのだそうです。 この残雪は、美幌峠に向かう国道からは毎年見られる光景です。 皆さんも注意して見ると確認できるでしょう。

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なぜ「エコツアー」に至ったのか説明しなければなりません。 道東は近年エゾシカによる被害が多発しています。 津別町だけでも平成9年に3億円の被害が発生しております。 そこで被害を最小限に留めるべく鹿防護柵を張りました。 叉狩猟期間の延長と牝鹿の狩猟も解禁いたしました。 然し駆除することばかりでは鹿との共存はあり得なく、絶滅の方向に向かいます。

ここ峠牧場は乳牛の育成を主体として開設され、開設当時は750頭 余りの牛の預託を受けてきました。 然し近年預託牛が激減し450頭程度の飼育となっております。 したがって400ha近くある草地も全部を活用しえなくなりました。 峠牧場には鹿柵は設置されておりません。そこへ近隣から鹿防護柵で 入れなくなった鹿達が草を食べに来るようになったのです。 美幌町としては鹿との共存を計る意味で「エコツアー」を企画し、 鹿のウオッチングを計画しましたが、ただ見るだけでなく乗馬による 体験もセットとして企画したというわけです。

今回は、関東、関西から10名の方が来られ、2時間に及ぶエゾシカの生態系の勉強・ 夜間の鹿ウオッチングも行い、皆さんに鹿との共生の方法を理解頂きました。北はオホーツク海、 眼下に屈斜路湖、南に雄阿寒岳を望むパノラマに、参加者達は大満足でした。 2日間、好天に恵まれ今年最初のツアーは成功に終わりました。

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